――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」  ***  2008年の金融危機後に企業が経験した大きな損失は今では遠い記憶だが、小さな影響は残っている。その結果、ノーベル経済学者のロバート・シラー氏が考案した有名な株価基準の結果が違ってくるようにみえるが、恐らくそうみるべきではない。  シラー氏は経済学者のジョン・キャンベル氏(現ハーバード大学教授)と共にCAPEレシオを開発した。シラー氏が2000年に出版した「根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然」で株価の割高感を測る投資指標として紹介された。