5月の米雇用統計では、貿易摩擦が激化する以前から、米経済がすでに冷え込んでいた兆候が改めて確認された。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)は、今月または7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを正当化しやすくなりそうだ。FRB当局者は目下、世界経済の成長減速や貿易紛争が足かせとなっている製造業の低迷が、米経済の中でより大きな割合を占めるサービス業に波及しつつあるのか見極めようとしている。5月の雇用統計では、製造・建設業の就業者の伸びはわずかにとどまった。5月の非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比7万5000人増加と、予想を大きく下回ったほか、4月と3月の就業者数も下方修正された。その結果、過去3カ月平均の雇用者数は月当たり15万1000人増と、昨年12月〜2月までの3カ月平均である19万8000人増から、伸びが縮小した。
FRBの利下げ根拠強まる、弱い雇用統計が後押し
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