アパホテルの元谷芙美子社長Photo by Kazutoshi Sumitomo

アパグループに新卒で入社する社員のほとんどは大卒だ。なかには東京大学出身者もいる。高学歴の人材がなぜ、アパグループを選ぶのか。その謎を掘っていくと、他社に比べて圧倒的に早い昇進・昇格システムが見えてくる。(アパホテル社長 元谷芙美子)

東大法学部卒も入社!
アパに学生が集まる理由

 アパグループは現在、全体で約5000人の従業員を抱えている。正社員とアルバイトクルーの比率はおよそ半々だ。今春入社した新卒社員は330人。新卒者のなかには東京大学、それも法学部の出身者もいる。

 東大法学部まで出て、なぜアパグループに入るのかと、読者の皆さんは不思議に思われるかもしれない。確かに、同じホテル業界でも、老舗や電鉄系、外資系などの方がブランドイメージは高いのだろう。しかし、アパホテルの成長性の高さと、若くても活躍できるといった特徴を知ってもらえれば、アパに応募しようという人が増える。

 アパホテルでは、若くて意欲的、かつ有能な子であれば、新卒で入社してから、早いと4年程度で支配人に抜擢され、活躍できる。同期の中でも、誰が最初に支配人になるか競い合っているくらいだ。おかげでスピード感もあり、全体的によどんだ空気は感じられない。

 普通のホテルに入ったら、5年たっても、10年たってもなかなか支配人にはなれない。一方、当社は2019年6月末現在、建築中のホテルが53棟ある。これはつまり、それだけの支配人ポストが新しく生まれるということを意味している。大きいホテルだと総支配人、宿泊支配人、料飲支配人といる。若い社員が大学の同期と飲むと、たいていは一番早く出世しているから、「みんなからうらやましがられます」との報告をしばしば聞く。

 そもそも、そんなにたくさん新卒を採用するホテルは少ない。一般的なシティーホテルなら、新卒を30人採用すれば多い方ではないだろうか。それだけポジションがあることが、アパの魅力だ。