• バリュー苦戦の背景• バリュー苦戦の背景ここ10年で価値が3倍に拡大した米国の株式市場にも、大幅に割安な銘柄は多く存在する。S&P500指数の株価収益率(PER)は、今後4四半期の予想利益の16.7倍と、5年前の15.5倍から上昇している。それでも、指数構成企業のうちPERが10倍を下回っているのは6月末時点で67社と、5年前の3倍以上になっている。ここでは競争力、収益性、成長見通しの点で優れた11銘柄を取り上げたい。JPモルガンの分析によると、投資家が好む銘柄と嫌う銘柄の間のバリュエーション格差はかつてなく広がっている。このことは長年にわたるバリュー投資の不振にも関係している。投資家は業績不振な企業が業績を立て直したり、躍進している企業の成長力が失われたりといった、物事が変化する可能性を過小評価する傾向があることから、長期的には割安な銘柄が割高な銘柄をアウトパフォームすると考えられている。