この連載では、憲法改正による、(1)道州制を軸とした地方主権の確立のための、参院を地方代表の府とする統治機構改革、(2)全国の大都市圏がそれぞれ近接した世界の地域と経済圏を築く、(3)大都市圏主導の待機児童問題の解決など、日本維新の会が主張するにふさわしい政策を提示してきた(第208回)。

 別に私の考えを取り入れてもらう必要はないが、日本維新の会から新たな日本の国家像は何も示されなかった。ただ、現行制度を前提に無駄を削減し、既得権を打破すると言っていただけだ。「大阪では頑張っている」というが、それでは大阪以外の人にまったく響かなかったのではないだろうか。

野党共闘の先に続くのは
「万年野党」への道にすぎない

 この連載では、「野党共闘」を徹底的に批判してきた(第196回)。民主党政権が崩壊したのは、憲法や消費税など基本政策が一致しない政治家が集まった「寄り合い所帯」だったからだという国民からの不信感が根強いからだ。だが、今回の参院選では「改憲勢力で衆参両院3分の2の議席」を割り込ませることには成功した。野党共闘は一定の成果を上げたとはいえる。

 これは、安倍首相の主導による憲法改正の動きを止める効果はあるのだろう。だが、野党共闘の議席数はほぼ横ばい、1人区では、自民22議席に対し、野党共闘は10議席にとどまった。前回の参院選では11議席獲得だったので、今回の野党共闘が顕著な成果を挙げたとはいえない。

 結局、野党共闘は議席を増やすことについては一定の効果はあるが、共産党が加わることで支持層が左翼だけになってしまう。選挙の勝敗に最も影響する「中道層」というサイレントマジョリティの支持を失ってしまう。政権交代はむしろ遠のき、「万年野党」への道を歩むことになる。