フレームワーク30 DAY21 ポーターの3つの基本戦略

 経営学者のマイケル・E・ポーターが著した『競争の戦略』を通じて世界的に有名になった理論には、先に示した「5F」に加えて、この「3つの基本戦略」が挙げられる。

 ポーターは横軸を競争優位性、縦軸をターゲットの幅とした際、立ち位置によって異なる望ましい戦略の方向性を「コスト・リーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」に分けて示した(下図参照)。

 まず、「コスト・リーダーシップ戦略」とは、勝負を挑んできた相手を「低コスト」で打ち負かす方法だ。業界内でコストが最も安ければ、価格競争時の下げ余地が大きいし、同価格で製品・サービスを売れる場合は利幅も分厚くなる。例えば、グローバルで徹底的な原価低減の取り組みを続けるトヨタ自動車はその典型ともいわれる。

 一方の「差別化戦略」は、顧客への付加価値の高さを武器に戦う。コスト面で競争をしても分が悪ければ、ブランドや特長ある製品、技術で勝負しようというわけだ。

 なおポーターは「コスト・リーダーシップ戦略」と「差別化戦略」を両立させるのは、経営資源の活用法や従業員の意識上の問題などから難しく、どちらかに明確に絞った方がよいと分析している。

 「集中戦略」は視点を変えて、競争相手の少ない分野に的を絞ることで、競争に勝とうとする戦略だ。集中戦略は、競争優位性の観点から「コスト集中」「差別化集中」とさらに分けて使うこともある。

(週刊ダイヤモンド2017年8月5号「ロジカルシンキング&問題解決法」を基に再編集)