「Dear Mr. Mike Davis.」このひと言で、あなたは信頼を失います。
外資系企業で役員秘書を18年経験したプロフェッショナルが、ネイティブにほめられるワンランク上の英語を語る! 「できません」「わかりません」と言えないハードな仕事から学んだ、ネイティブに一目置かれる英語とは?
ハイクラス英文法、電話、来客対応、メール、パンクチュエーション、ビジネス英単語etc。
最新刊『ネイティブにほめられる英語』の著者である西真理子氏が、そのエッセンスをやさしく語ります。
どんなときにセミコロンを使うのか?
秘書をしていたころ、上司に代わって英文の下書きをすることが多かったのですが、「セミコロン(;)は僕自身が理解できないから使わないで」と言われたことがあります。
この上司は、アメリカでも指折りのMBAコースを優秀な成績で修了していますが、「セミコロンとコロンの違いは聞いたことがない、もしくは覚えていない」とのこと。
セミコロンはネイティブでもビジネス英語コースで使用法を習うくらいの「特別な」パンクチュエーションです。英文が一段グレードアップするくらいの威力があるので、使いこなせるようになってください。
セミコロンは「コンマより強く、ピリオドより弱い」と定義されます。役割は大きく分けると「コンマだとあいまいになるものをクリアにする」ことと「関連が深い2つの文をつなぐ」の2つになります。
(1)コンマだとあいまいになるものをクリアにする
次の例文を見てください。
Soon we will open new shops in Matsumoto, Nagano, Nagaoka, Niigata, and Atami, Shizuoka.
さて問題です。新規オープンするお店は何店舗でしょうか?「6店舗」と答える方もいらっしゃるのではないでしょうか(松本市、長野市、長岡市、新潟市、熱海市、静岡市)。
これで正解であれば構わないのですが、もし正解が「3店舗(長野県松本市、新潟県長岡市、静岡県熱海市)」だとしたら、この書き方では伝わりにくいですね。
こんなときこそセミコロンの出番です。
Soon we will open new shops in Matsumoto, Nagano; Nagaoka, Niigata; and Atami, Shizuoka.
このように、各項目のあいだをセミコロンで区切ると3店舗であることが明確になります。他にもこんな使い方ができます。
She is going to make a speech on Monday, January 29; Tuesday, February 13; and Wednesday, March 7.
(彼女は1月29日月曜日、2月13日火曜日、そして3月7日水曜日に講演をします)
このように複数の曜日と月日をセットにするというワザもセミコロンなら可能です。