• 自社株買いに対する誤った見方• 自社株買いに対する誤った見方最近、先鋭的な政治家が企業の自社株買いをやり玉に挙げ、制限するか禁止することすら望んでいる。彼らは、所得や富の不平等、企業による低水準の設備投資や生産性の低さは、自社株買いが主な原因だと考えている。株式市場の弱気筋も自社株買いに強い不満を持っており、自社株買いによって株式市場の強気筋に有利になるように市場が操作されていると主張している。実際は、政治家の言い分も、弱気筋の言い分も正しくない。S&P500指数構成企業が自社株を買い戻す最も一般的な理由は、発行済株式の希薄化を相殺するためである。希薄化は従業員の報酬がストックオプションや長期にわたる株式の付与という形を取った場合に生じ、経営幹部だけでなく多くの従業員に当てはまる。実際、多くの自社株買いの原資は、社債の発行によるものではなく企業の損益計算書の従業員の給与費用に含まれている。