北朝鮮の核問題を巡るベトナムでの米朝首脳会談が決裂してから7カ月。両国は現在、北朝鮮の核問題と米国主導の対北朝鮮経済制裁の緩和を取引材料とした交渉の再開で準備を整えたようだ。しかし、チェス盤上の駒の配置は以前と大きく異なっている。北朝鮮は、決裂したハノイ会談時の交渉チームを入れ替えたもようで、米国の外交団もある部分では最初から交渉をやり直さなければならない。この地域で米国の最大の同盟国である韓国と日本は、貿易問題でもめている。核交渉の仲介者としての韓国の役割は、北朝鮮に否定されたことで低下。韓国はまた、米国の意向を無視して、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を決定した。加えて北朝鮮は、4月以降、今月10日のものを含めて、兵器実験のためミサイルなどの飛翔(ひしょう)体を10発以上発射している。安全保障分野のアナリストは、これについて、今後米国との協議が正式に再開された場合でも、相手の言いなりにはならないという姿勢を示すものと指摘する。
対北朝鮮交渉、米国は状況変化で戦術練り直し
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