1日に国際通貨基金(IMF)専務理事に就任したブルガリア出身のクリスタリナ・ゲオルギエバ氏は、IMF主導の厳しい経済改革を実生活で経験した初のトップだ。ブルガリアは1990年代に社会主義から市場経済に移行。その過程で負債の急増、失業率の上昇、金融システム崩壊、インフレ高進に見舞われた。IMFは融資の見返りに国有企業の民営化や国の補助金打ち切りなど厳しい改革を課した。ゲオルギエバ氏は1日、専務理事就任後の初インタビューで、この経験が世界銀行や欧州委員会など国際機関でのキャリアを追求する動機になったと語った。ゲオルギエバ氏は経済成長が鈍化する中、IMFの現行の融資プログラムに調整が必要かどうかを中心に語った。「世界経済が期待通りに進行しない状況が続いている。貿易摩擦、資金移動のボラティリティー、英国の欧州連合(EU)離脱、紛争を巡る不確実性や自然災害は経済を大きく混乱させ得る」と指摘。その上で、世界経済を脅かす危険なボラティリティーの事例に、先ごろサウジアラビアの石油施設が攻撃を受けた後、石油価格が跳ね上がった件を挙げた。
IMF、景気悪化前に「屋根を修理」 新専務理事が抱負
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