このように普及率が低下している背景には、以前普及していた適格退職年金や厚生年金基金が廃止されたこと、そしてその受け皿として期待された確定拠出型年金の使い勝手が悪く退職給付制度自体をなくす企業が増えたことなどがあると思われます。

退職金水準も低下

 悪い話はこれだけではありません。退職給付制度がない企業が増えていることに加えて、退職給付制度がある場合でも、その給付水準が大きく減っています。大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の勤続35年以上の場合をみると、その退職給付額は10年前の2008年には平均で2491万円でしたが、2018年は平均で1997万円と約500万円も減っています。

 でも、平均だけみても得てして大事なことはわかりません。なぜならば、退職金額は企業や学歴によって大きく異なるからです。実際、一時金制度しかない企業の平均は1344万円であるのに対し、一時金制度と年金制度の両方がある企業の平均は2329万円ですから、約1000万円近くもの差が生じています。学歴に関しては、2018年の高校卒(管理・事務・技術職)は1724万円、高校卒(現業職)は1627万円ですから、やはり大学・大学院卒(1997万円)よりも低くなっています。このように学歴・職種によっても大きく給付額が異なるため、自身の退職金水準については平均で考えるのではなく、会社の制度を確認することをお勧めします。

年金制度の中身も大きく変容

 さらに、年金制度の中身も大きく変わっています。2008年は確定給付型年金(給付額は会社が保証)が36.4%、確定拠出型年金(給付額は個人の運用成果次第)が6.0%だったのに対し、2018年には確定給付型年金が14.1%、確定拠出型年金が11.4%となっています。年金制度の割合が減っている中で、年金制度が確定給付型から確定拠出型にシフトしているのです。