観光先進国への目玉として政府が推進するカジノを含むIR(統合型リゾート)。ヒト、モノ、カネを集めるIRの誘致レースを勝ち抜くには、世界から集客できる空港のパワーが第一の鍵になる。特集「駅・空港パワーランキング」(全11回)の#07では、IR誘致レースの行方を大胆に予想する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
誘致レースの大本命は大阪
関空を運営するオリックスの本気
林文子・横浜市長がカジノを含むIR(統合型リゾート)を山下ふ頭に誘致する方針を表明した翌日の8月23日、地元の実力者である“ハマのドン”こと横浜港運協会の藤木幸夫会長は誘致方針に異を唱えた。「山下ふ頭は港の聖地だ。命を張ってでも止める」とたんかを切ったのだ。
2016年末にいわゆるIR推進法が議員立法として可決、施行された。日本で禁止されていたカジノの解禁につながるものだ。政府は日本を観光先進国に押し上げるための目玉としてIRの推進に乗り出したのである。
カジノを伴うIR施設を全国どこにでも造っていいわけではない。自治体がIRオペレーターと共同で整備計画を提出し、政府がその中から最大3カ所を20年にも選定することになっている。
政府の調査に対しIR誘致に関心を示しているのが、大阪府・大阪市、長崎県、和歌山県、横浜市、千葉市、北海道、東京都、名古屋市の8エリア。では、IR誘致レースに臨む8エリアの実力を測るものは何か。第一の鍵はIR施設にアクセスする国際空港のパワーである。