家族を困らせない相続第3回Photo:da-kuk/gettyimages

親が残した「遺言書」を確認するところから一連の相続手続きが本格化する。2020年1月5日(日)まで全18回でお届けする特集「家族を困らせない相続」の第3回は、相続の準備を始めるための予備知識として、相続に関する手続きをやさしく丁寧に解説する。(監修/弓家田良彦〈税理士法人弓家田・富山事務所代表社員〉)

「週刊ダイヤモンド」2019年8月10日・17日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数字など情報は雑誌掲載時のもの

生前に相続の準備をしておけば……
親の死後に嘆いても後の祭り

 相続はひとごとではない。誰しも必ず直面する。人が死ねば、残された家族は相続の問題へと突入する。

 例えば親が亡くなった場合、通夜、葬儀・告別式、死亡届の提出、お墓の手配……と、悲しむ間もない。そこへ追い打ちをかけるようにやって来るのが親の財産の相続だ。そしてたいていは家族や親族がここでもめる。

 親の死をきっかけとした相続問題で、家族や親族間に亀裂が生じ、適切な処置がなされずに一気に広がる。そして絶縁にまで至るケースが後を絶たない。「親の生前にきちんと準備をしておけば……」と嘆いても、後の祭りだ。

 そう、相続で最も重要なことが、「いかに早い段階から準備をしておくか」だ。ここでは、準備を始めるための前の知識として、相続の基本について、図とともにやさしく解説する。