相続にまつわる二つの問題、税金と争族。親の死後、相続税の手続きで損をしている人は非常に多い。2020年1月5日(日)まで全18回でお届けする特集「家族を困らせない相続」の第2回は、「税金」の視点から、起こり得る相続の失敗談とその処方箋を提示する。(監修/弓家田良彦〈税理士法人弓家田・富山事務所代表社員〉)
税負担から身を守るためには
自分で賢く節税するしかない
特集第1回【「争族」あるある6事例の回避策、前妻の子供にはどう対応?】では、相続にまつわる二大問題の一つである「争族」について取り上げた。そして、相続に関するもう一つの大きな問題が、税金問題である。
親の死後、相続税の手続きで損をしている人は非常に多い。税務署が手取り足取りして教えてくれると思ったら大間違いだ。わざわざ税務署が、税収減となるテクニックを労力をかけて納税者に教えるはずがないからだ。むしろ、虎視眈々と相続税を狙っているといってもいいだろう。
税負担から身を守るためには、自分で賢く節税をするしかない。損をしないためにも最新の情報を基に知識をアップデートしておきたい。次から、下記の6事例について、失敗しないための相続税対策をお届けする。
【ケース1】子や孫の名義で預金口座を作りコツコツ貯金していた
【ケース2】専業主婦が自分の名義でへそくりをしていた
【ケース3】いざというときに備えて事前に父の預金から葬式代を引き出し
【ケース4】教育資金の一括贈与で孫に渡し過ぎた
【ケース5】利便性の悪い土地に借金でアパートを建ててしまった
【ケース6】母が1人で住んでいた実家を相続時に売却した