定期的なミーティングで
ビジョンを共有

 3つ目は、ビジョンの共有です。夫婦、家族は社会における最小単位のコミュニティーであり、組織だと私は考えています。組織である以上、方向性の共有は極めて重要です。基本方針をどのように置き、短期・中期・長期の目標をどうするのかということを設定し、それを遂行すべきなのです。

 そして、定期的に現状についての確認をし合うことが大切です。我が家では毎日、家族で顔を合わせて朝食をとります。たとえ、前日の夜の接待で帰りが明け方であっても、そのルーティンは欠かしません。どれだけ眠くても、朝食の場では爽やかに前日の夜の話をしつつ、その日の予定の確認をします。

 そして、夫婦でよく行うのはランチミーティングです。これは最低でも週に1回は行います。半分以上はデートのような側面がありますが、食事を楽しみながらも日々のいろいろな課題や関心事などについての意見交換を行います。

 日々の振り返りだけでは組織(家族)としての成長はなく、ここでは中期的な事柄についての反省と展望について話し合うことが多いです。さらに最重要事項として、3カ月から6カ月に一度は家族で旅行にいくようにしています。ある種の家族サービスの一環で、熱海の温泉に行くことが多いです。

 息子が寝静まってからはゆっくり晩酌をするのですが、そこでは将来のことについて話し合うことが多くなります。息子の将来の話もそうですが、今後の人生について夫婦としてどのようなスタンスで、何を目指し、どのような行動をとっていくのか、家族としてのビジョンについて語り合います。また、現時点で基本的なビジョンからずれていないかどうかも確認し合っています。

 この長期目標のすり合わせは組織運営をする上では非常に大切で、ここが根底からぶれてしまうと関係性は崩れてしまいます。日常とは違う環境に身を置き、解放的な気持ちになって明るい未来を想像することはとても効果的です。政界に戻りたいのか否か、テレビの仕事ではどんなことを実現したいのか、ビジネスはどれくらいのバランスで取り組んでいくのか。夫婦としての方向性をとことん妄想を膨らませつつも議論を繰り返します。ビジョンの共有ができていれば、ちょっとやそっとのトラブルがあっても協力して乗り越えていけるというわけです。

 我が家では、これを「夫婦間選挙」と呼んでいて、公約を掲げてお互いに確認し、それを支持するということをし、時には当初のマニフェストと今の言動がぶれているのではないかという指摘もします。きちんとこの選挙をくぐり抜けていかないと、夫婦は「解散」してしまうかもしれませんね。

 他にも細かいことを挙げればきりがないのですが、我が家の夫婦円満の秘訣の基本はこんなところです。いずれにも共通することは、「夫婦は他人」ということを忘れずに尊厳を保つことだと思います。