楽天メディカル・三木谷浩史会長兼最高経営責任者Photo:kyodonews

1年で最も売れる「週刊ダイヤモンド」年末年始の恒例企画をオンラインで同時展開するスペシャル特集「総予測2020」。ダイヤモンド編集部が総力を挙げて、多くの識者や経営者に取材を敢行。「2020年の羅針盤」となる特集をお届けする。今回は、楽天の三木谷浩史会長兼社長に、楽天メディカルの会長兼最高経営責任者として2020年を予測してもらった。三木谷氏が長らく個人で支援してきた米バイオベンチャーは2019年、「楽天メディカル」に社名を変更。光免疫療法というがん治療法の開発を進める同社が楽天の関連会社となった。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

楽天メディカルで手掛ける
がん治療法は従来と考え方が全く違う

――なぜ光免疫療法を手掛けたのですか。

 2012年、父に膵臓がんが見つかりました。13年に他界するまでの間、がんについて、それはもう、いろいろ研究しました。そのとき知人から、米国で光免疫療法を研究していた小林久隆さん(米国立衛生研究所主任研究員)を紹介された。説明を聞いて、これは物理的にワークするだろうと。

――がんの新薬開発では、マウスで効いてもヒトには効かないということが歴史的に繰り返されてきました。この治療法を「難しい」と否定する方も周りに多かったのでは?

 コロンブスの卵というか、コペルニクス的転回。この治療法は従来の治療法と考え方が全く違う。