ローレンス・H・サマーズ教授写真
写真:AP/アフロ

1年で最も売れる「週刊ダイヤモンド」年末年始の恒例企画をオンラインで同時展開するスペシャル特集「総予測2020」。ダイヤモンド編集部が総力を挙げて、多くの識者や経営者に取材を敢行。「2020年の羅針盤」となる特集をお届けする。今回は、ハーバード大学のローレンス・H・サマーズ教授の特別寄稿をお届けする。(翻訳・沢崎冬日〈エァクレーレン〉)

グローバル経済は
景気後退に陥る可能性がある

 2020年は、過去数十年に見られなかったレベルで国内政治や地政学的状況、経済が複雑に交錯する年になるだろう。世界の大半において、経済パフォーマンスの弱さと問題含みのガバナンスによる悪循環が始まるリスクがある。

 経済の不振が国内政治におけるポピュリズム、国際政治における好戦的なナショナリズムにつながり、それが保護主義の台頭や投資の減少、消費者信頼感の低下などを通じて経済問題を深刻化させる。良くない経済は良くない政治を推進し、さらに悪い経済と悪い政治へとつながっていく。

 悪いニュースとも良いニュースともいえるのは、20年が経済も政治も困難な状態から始まることだ。グローバル経済はリセッション(景気後退)に陥る可能性があり、大きな政治的、下手をすると軍事的な対立が生じるリスクは、冷戦終結以降の時期に比べて高くなっている。