今年、電子たばこと関連性のある肺疾患が急増し、医学界に衝撃を与えた。米疾病対策センター(CDC)によると、患者数は2500人を超え、54人が死亡した。政治家は電子たばこに批判の矛先を向けているが、CDCは先週、現時点の患者の最大の共通点が大麻であることを明らかにした。ここで思い出されるのは、米国が大麻の合法化とイメージ改善という危険な社会実験を行っていることだ。実験の結果は予想も制御も困難だ。政治文化は合法のオピオイド(麻薬性鎮痛剤)に激怒し、償いに製薬会社を破産に追い込もうとしているが、若者の脳を生涯にわたって傷つける恐れのある薬物を歓迎することについては何とも思っていないようだ。10月のCDCの発表によると、データの入手が可能な患者867人のうち86%は症状が現れる少し前に大麻の主な有効成分である テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む製品を使用していた。ニコチン製品を使っていた患者は64%で、ニコチンだけを含む電子たばこを使った患者は11%にすぎなかった。CDCはまた、電子たばこ用の大麻リキッドに増粘剤として添加されることが多いビタミンEアセテートが電子たばこ関連の肺疾患の「非常に有力な犯人」だと指摘した。
【社説】電子たばこで分かった大麻の危険
大麻使用の歓迎が思わぬ結果を招いた
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