半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が6日にラスベガスの家電見本市に出展する前から、投資家は大きな賭けに出ていた。AMD株は2019年に148%上昇した。時価総額は320億ドル余り増え、S&P500種指数と好調なフィラデルフィア半導体株指数の双方で上昇率首位の銘柄となった。言い換えるなら、AMDは最注目セクターの最注目株ということだ。しかも予想株価収益率(PER)は45倍と、セクター平均の約19倍に比べ2倍以上の水準で、今や最もバリュエーションの高い株となっている。こうした期待は当然ながら、同社の最新発表に対する反応を鈍らせた。AMDは6日午後、家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」でパソコン向け新製品やグラフィックプロセッサー(GPU)を発表した。高性能半導体「Ryzen(ライゼン)」シリーズでは7ナノメートル製造プロセスを採用する初のノートPC用製品も発表。今秋発売される家庭用ゲーム機「プレイステーション」と「Xbox(エックスボックス)」の新製品向けに専用プロセッサーを設計中であることも明らかにした。AMD株は7日の取引を0.3%安で終えた。