多くの会社員の一日は、プラスチック製の身分証(ID)カードをカードリーダーに通してオフィスに入ることから始まる。ただ雇い主には誰がカードを持っているのか、分からないこともある。IDカードに代わって、生体(バイオメトリック)認証システムや埋め込み型のマイクロチップ、社員の歩き方やタイピングの癖を監視するツールが導入されようとしている。こうした技術は職場をより安全で動き回りやすくするだけではなく、個人の健康や生産性に関するデータを生み出す可能性もある。一部の企業は一般的なプラスチック製のIDカードに比べなりすましが難しい顔や虹彩のスキャンなどの技術を既に採用している。カメラで顔を読み取り、記録しておけば、社員や臨時の請負業者はセキュリティーゲートを通る必要はない。顔認識技術は既存の社内カメラに簡単に設定できる。仕事を辞めた人物の顔をタグ付けしておけば、その人物が再び職場に入るのを阻止できる。