富裕層のカネと節税#2Photo: jokerpro/gettyimages

「成り上がリッチ」たちは常人にはない運と行動力を持ち合わせて富を形成する。2020年1月、純資産1億円超の富裕層5人がダイヤモンド社に集まり、匿名の座談会を開催。特集「富裕層のカネ・節税」の#02では、そこで語られた驚きの成り上がりストーリーを公開する。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

学生時代に株の先回り買い
成り上がリッチが明かすもうけの手口

司会 皆さんがどんな生い立ちで、どのように資産を形成されたか非常に関心があります。

目黒 親はごく普通の会社員でしたが、大学の学費と生活費を出してもらえなくて……。僕の場合は自分で稼がなくてはなりませんでした。1990年代当時のアルバイトの時給は750円程度。いくら頑張っても生活できない。いかに効率よく稼ぐかを考えた結果、思い付いたのが株の先回り買いでしたね。

 野村證券の店内に座っていると、カウンターの裏から「〇〇さんの注文が入りました!」という営業マンの声が聞こえてくる。当時は証券会社が同じ銘柄を大量に買わせていた。その場でノート型パソコンを使って同じ銘柄を先回りして買うわけです。当時の通信状況は良くなかったのですが、それでも紙の伝票より早い。これで大学4年分の学費と生活費を稼ぎました(笑)。

司会 フロントランニング(注1)のようなことを学生時代にやる発想がすごい。それからずっと株の運用を続けているんですか。