節税効果の高さをうたい、中小企業で一大ブームが起きた法人定期保険。昨年、国税庁の規制強化でつぶされたかに見えた「節税保険」市場で、法の抜け穴をかいくぐるような新商品が登場し、じわりと広がり始めている。特集「富裕層のカネ・節税」の#09では、話題の足場レンタルなど新たな節税手法についてお伝えする。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
法人定期に代わる
新たな「節税保険」
「この機会に役員や従業員の福利厚生を見直してみますか」
東京都内で広告代理店を経営する清水義信さん(仮名、50歳)は昨秋、顧問税理士からそう持ち掛けられた。
大口の契約が相次いで決まり、前年度より利益が大きく上振れそうなため、節税につながる何か良い方法はないかと、相談したときのことだ。
後日、顧問税理士が清水さんに差し出したのは、ある生命保険会社の商品パンフレット。中を見ると、「福利厚生の充実」という文言とともに「養老保険」という文字が目に飛び込んできた――。
これこそが今、中小企業オーナーの間でじわりと広がり始めている、新たな「節税保険」だ。