富裕層のカネと節税#13
Illustration by Yuuki Nara

庶民から嫉妬と羨望のまなざしで見られていた「長者番付」。かつて国税庁が公表していた高額納税者名簿のことだが、個人情報保護などの観点から廃止された。特集「富裕層のカネ・節税」の#13では、最後となった2004年分の全国トップ100人を振り返ってみる。顔ぶれを見ると、アクの強い面々がズラリ。今見ても非常に興味深いランキングになっている。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

 かつて毎年5月に公表されると、その話題で持ち切りとなった「長者番付」。当時は所得税額が1000万円超の納税者の氏名や納税額だけでなく、住所の番地まで全国の税務署に掲示されており、個人情報保護などの観点から、2006年に廃止になった。

 そのため、最後の長者番付は05年5月に公表された04年分の所得税額に基づく高額納税者だ。全国トップ100人の顔触れを見ると、アクの強い面々がズラリとそろっている。

 40億円近い納税額で、堂々の首位に立った清原達郎氏は当時、投資顧問会社の運用部長だった人物だ。中小型株ですさまじい運用実績を上げたことで多額の成果報酬が舞い込み、年収は推定で100億円。経営者ではなく、サラリーマンが初めてトップになったことも大きな話題となった。

 3位に入った柳井正氏は、言わずと知れた「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの創業者。04年は社長(当時)の玉塚元一氏と共に、米国進出など海外展開を本格化させていた時期に当たる。

 番付の上位陣を眺めていると、2位の斎藤成氏や8位の福田吉孝氏をはじめ、消費者金融会社の経営者が数多くランクインしていることが分かる。

 この時期は隆盛を極めていたものの、その後グレーゾーン金利の廃止に伴う「過払い金返還問題」によって、消費者金融業界は一気に暗転していったわけだ。

 また、リーマン・ブラザーズ証券の社員など金融機関が目立つ一方で、ネットベンチャーなどIT企業の経営者の姿がまだ少ないのが印象的だ。

 ソフトバンク創業者の孫正義氏がかろうじて87位に入っており、その後の同社やIT業界の急拡大を予感させるような、興味深いランキングになっている。