世界で行き場を失うLNG
産出国には大きなリスク

 中国発LNGショックの影響は、日本にとどまらず、世界にも広がる。新型肺炎による経済減速は、中国のLNG需要を確実に減退させる。中国で消費されるはずだったLNGがどこへ向かうかというと、比較的LNGを受け入れる余地がある欧州市場だと想定できる。

 そして欧州も受け入れ余力が限界に達したら、どうなるのか。上流の“蛇口”を閉める、つまりLNGの生産を止めるか、生産ペースを緩めることになる。そうなった場合、上流のLNG生産プロジェクトそのものの採算が合わなくなるリスクが潜む。

 LNG取引量世界首位、ロイヤル・ダッチ・シェルの株価はすでに、年初から1割強下落している。また中国のエネルギー会社が契約する上流プロジェクトは、米国やオーストラリア、マレーシア、カタールなどに点在しており、こういった地域の経済に冷水を浴びせる恐れがある。世界経済に与えるインパクトは計り知れない。

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