ペットフードの販売が急拡大している。加工食品大手ではここ数年、冷凍食品やシリアルなどの販売が伸び悩んでいるが、ペットフードが売上高を押し上げている。コーヒー「ネスカフェ」やチョコレート菓子「キットカット」を販売しているスイスのネスレが発表した通期決算は、ペットフードブランド「ピュリナ」の好調な販売が寄与し、北米の販売数量が10年ぶりの大幅な伸びを記録した。加工食品各社は長年、消費者嗜好(しこう)のめまぐるしい変化への対応に追われてきた。そんな中、ペットフードは明るい光となっている。米ゼネラル・ミルズは12月の決算発表で、スナック菓子やヨーグルトの販売減速をペットフードが補ったと説明していた。晩婚化と少子化が進む先進国では、人々のペットへの思い入れが強まっている。調査会社ユーロモニターによると、世界のペットフード売上高は2010年以降に61%増加した。