米アップルが中国の状況を見誤ったのはこれが初めてではない。だが今回は、これまでになく高い代償を払うことになるかもしれない。アップルは17日、1-3月期(第2四半期)は業績予想を達成できないとの見通しを表明した。3週間前の10-12月期決算発表に合わせて公表した見通しでは、前年同期比9~15%の増収を予想していた。アップルの説明によると、新型コロナウイルスの流行により、中国でスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の生産が滞り、中国国内におけるアップル製品の需要も落ち込んでいる。中国は2019年9月期の通期総売上高の約17%を占めていた。アップルが正式に売上高予想を下方修正したのはここ15年でわずか2度目だ。とはいえ、全くの不意打ちとは言えない。コロナウイルス感染は急速に拡大し、中国全体に深刻な影響が広がっている。感染者7万3000人余りのうち99%超が中国本土の患者だ。死者はこれまでに1800人を超え、アップルが最初に業績予想を発表した当時の132人から急増した。ただ、業績予想は発表時点でさえ、かなり楽観的に見えた。廉価版新型iPhoneの3月発売へ向けた増産計画が報じられていたことを踏まえればなおさらだ。
アップル、新型ウイルスで表面化した健康過信
有料会員限定
あなたにおすすめ