その潜在力と比べれば、まだ“赤ん坊”状態の量子コンピューター。誰もが世界のトップランナーになれる可能性を秘めているため、ベンチャー企業も次々と参入している。そして今、海外の量子ベンチャーが日本に続々と上陸を始めた。特集『乗り遅れるな!量子ビジネス』(全6回)の#4では、野望を抱く量子ベンチャーの動向を追った。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
海外勢が拠点を構え営業活動を開始
東京・大手町周辺で育つ“量子村”
日本を代表するオフィス街、東京・大手町。メガバンクなど老舗企業の本社が集結し、ビジネスエリートの総本山だったが、ここ数年は新規ビジネスの開拓需要や、“大地主”である三菱地所などからの誘致もあり、ベンチャー企業も“市民権”を得られるようになってきた。そしてこの1年、そこに新たな顔触れが加わり始めた。
「海外の有望な量子ベンチャーが次々と拠点を開設し、営業を開始している。2020年は“量子元年”のような盛り上がりを見せるだろう」
こう語るのは、大手町のコワーキングスペースにオフィスを構える量子コンピューターベンチャー、MDRの湊雄一郎CEO(最高経営責任者)。大手町かいわいに海外勢が上陸し、“量子村”ができ始めているというのだ。
海外の有望ベンチャーがなぜ日本を目指すのか。