ハリケーンや洪水、地震が起きると、経済が大打撃を受けることがある。だが、その後の回復規模はそれ以上に大きいことが多い。しかし、新型コロナウイルス感染拡大はハリケーンとは違う。米国や世界の経済をはるかに長期間にわたって下押しするだろう。にわかに晴天になって終わりを迎えるわけではなく、過去に自然災害後の経済回復を後押ししてきた、屋根の修理などの復興作業が行われるわけでもない。経済がコロナウイルス流行の影響を吸収し、最終的な回復に至るまでの軌道はV字ではなくU字型をたどり、長期間下げ止まる公算が大きい。1月に武漢のコロナウイルス感染拡大の範囲がより明確になって以来、エコノミストは成長見通しを下方修正している。例えば、ドイツ銀行は年初には米国内総生産(GDP)の1-3月期(第1四半期)と4-6月期(第2四半期)成長率を年率プラス1.7%とプラス2.2%とそれぞれ予測していた。だが今は第1四半期がプラス0.6%、第2四半期がマイナス0.6%になるとの見通しを示している。