ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今年1月、「1980年代半ばのような状況に戻るのは、非常に憂慮すべきことだ。当時は各国の指導者が次々と、人生の最後まで権力の座を維持するようになっていった」と語った。この発言の段階では、彼の考えは正しかった。しかし、それにもかかわらずプーチン氏は今週、83歳の誕生日を過ぎてもロシアを支配し続ける道を切り開いた。世界中のだれ一人として、これに驚きはしない。プーチン氏の言いなりのロシア議会下院は10日、現在67歳のプーチン氏が、6年間の大統領任期をさらに2期にわたりを務めることを可能にする憲法改正案を承認した。この措置はロシアの裁判所の許諾を必要とするが、これを違法と判断する裁判官には災いが待っている。その後ロシアの有権者らが、国民投票を通じて是非の判断を下すことになるが、ほぼすべてのロシアのメディアは政府のコントロール下にある。過去20年間にわたって大統領か首相を務めてきたプーチン氏が、自らの約束通り2024年に退陣を強いられることは、ほぼ確実になくなった。