収束まで時間かかれば
中小は資金繰り破綻危機

 国内だけではない。

「欧米企業が発行するトリプルB格の社債が金融システム不安の火種となっている」。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストはこう述べ、企業の過剰債務の存在に警鐘を鳴らす。

 海外の市場関係者の間では、「投機的水準」の社債(ジャンク債)の一歩手前となるトリプルB格の社債が格下げされると「フォーリンエンジェル(堕天使)」が出現したと表現される。

 かつてのリーマンショックの反省を踏まえて、銀行への規制は強化が進められてきた。心配なのは、そうした網にかかっていないファンドなどのノンバンクが持つジャンク債予備軍だ。

 今後、フォーリンエンジェルが大量に出現すれば、そこに投資するファンドが大損害を受け、破綻が相次ぎかねない。それが金融システム不安につながり、さらなる実体経済の大幅な縮小を生む。負の連鎖の結果、リーマン級か、それを上回る危機にも至り得る──。

 かように、国内、国外共に「リーマン超えの危機」を懸念する声が出てきているのだ。

 そうした最悪シナリオを避けるべく、国内では政府と日本銀行はカネを放出し、中小企業の資金繰り懸念の払拭に乗り出した。日銀は金融政策決定会合の異例の前倒し開催で資金供給拡大を決め、矢継ぎ早に対策を講ずる姿勢を見せている。ヒト・モノ・カネの中でも、カネの流れが容易に修復しないことを案じているからだろう。

 国際的には、FRB(米連邦準備制度理事会)がゼロ金利政策と量的金融緩和の同時導入に踏み切り、日米欧など6カ国の中央銀行は協調して資金供給拡充に動いた。

 とはいえ、カネ回りがウイルスの感染そのものを止められるわけではない。日本でも世界でも、新型コロナの感染が終息に向かわないかぎりヒト・モノ・カネの流れは滞ったままだ。