あらゆる業種にダメージを与える新型コロナウイルス。売り上げ減少に悩み、経営危機にあった地方の百貨店は、買い物客の外出自粛で“死期”がますます早まっている。3期連続赤字の百貨店は崖っぷちだ。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
新型コロナウイルスの感染拡大により、鈴木直道知事が2月28日に「緊急事態宣言」を出した北海道。3月19日まで週末の外出自粛を求めた。
これを受け、三越伊勢丹ホールディングス(HD)傘下の札幌丸井三越が運営する丸井今井札幌本店と札幌三越は、3月1日に臨時休業。14日には札幌三越の従業員に感染者が見つかり、丸井今井とともに15日に臨時休業するなど散々な状況だった。
この2店は2月の売上高がすでに前年同月比マイナス24.9%と、客足の鈍化が鮮明になっていた。道による外出自粛要請は3月20~22日の3連休中も続いたため、3月の売上高はより厳しいものとなりそうだ。
また都市部の百貨店にとって、とりわけ影響が大きいのがインバウンド消費の消失だ。東京の三越銀座店、大阪の大丸心斎橋店はいずれも2月の売上高が前年同月比で3~4割減となった。