欧州中央銀行(ECB)は26日、7500億ユーロ(90兆円)規模の新たな債券購入プログラムを開始したと発表した。また、これまで自ら設定していた債券買い上げの制限を取り払い、新型コロナウイルスとの戦いを強いられているイタリアなどユーロ圏内の債務国を積極的に支援する姿勢を示した。ECBの動きを受け、南欧諸国の国債利回りは低下している。ECBの行動は、新たなウイルス対策を協議しようとしているEU首脳にのしかかる圧力を和らげる形となった。だが投資家を驚かせたECBの行動は、ドイツなどで法的・政治的な懸念を呼び起こす可能性もある。ドイツの最高裁判所は5月5日、ECBの既存の債券購入プログラムを巡る判断を下す予定だ。