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看板学部である法学部の存在感が大きい中央大学。現状、MARCHでの人気・実力を測ると残念ながら精彩を欠くが、2023年の法学部の都心回帰によって序列が激変するとの声も。推薦入試では地方から多くの学生を集めている点に注目。特集『大推薦時代到来!MARCH』(全7回)#6では、そんな中央大の人気と実力、推薦入試の実態などを取材とデータで解明する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

「週刊ダイヤモンド」2020年3月14日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。AO・推薦入試は2021年度から総合型選抜・学校推薦型選抜に名称変更

圧倒的存在感の法学部
都心回帰で巻き返しへ

 法曹界に数多くの人材を輩出し、「司法試験を目指すなら中央大学」といわれる同大の名門、法学部。勤勉な学生は、もちろん多い。中央大の中心である多摩キャンパスには、その名も「炎の塔」と呼ばれる学生研究棟が存在する。

 定席は240席もある。入室試験に通らなければ利用できないが、受かれば日曜日も祝日も関係なく、朝8時から夜11時まで勉強に打ち込むことができる。

 他大学出身の中央大職員は「ゴールデンウイークなのに中央大の新入生が登校してきて、朝8時から勉強しているのを最初に見たとき、これが中央大のカラーなのかと驚いた」と話す。

 中央大の2019年の司法試験の合格実績を見ると、慶應義塾大学(152人)、東京大学(134人)、京都大学(126人)に次ぐ4位で、人数は109人だった。MARCH、関関同立の中では圧倒的な結果といえる。中央大の次に合格者数が多かった明治大学(26人で全体の順位は7位)を4倍以上、上回っているのだ。

 このほか、早稲田大学(106人)には僅差で勝ち、大阪大学(46人)、北海道大学(25人)、名古屋大学(25人)、東北大学(20人)、九州大学(20人)を寄せ付けなかった。

 炎の塔で、まさしく「火の玉」のように学生たちが全力で合格を目指して勉強した、血と汗と涙の結晶といえる。

立地の悪さもあり偏差値は3位
入試倍率は5位

 看板学部である法学部の存在感が非常に大きい中央大。ただ、MARCH内の人気と実力で序列を測ると、残念ながら精彩を欠いた。MARCH内での中央大の「人気と実力の序列」を6指標で分析したレーダーチャートを見てみよう。