グーグル経営道場の“師範役”には守るべきおきてがある。特集『潜入!グーグル経営道場』(全6回)の#4では、道場の卒業生で、ブラジルで医療サービスを手掛けるベンチャー企業Portal TelemedicinaのCEOを務める傍ら、世界各地のグーグルの道場で150社以上を指導してきた“カリスマ師範”であるラファエル・フィゲロア氏に、経営指導の極意を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
米国のグーグル経営道場に参加し
サービスの患者数は20万人から3000万人に
──ご自身も米グーグルのスタートアップ支援プログラムの卒業生だと聞きました。
その通りです。2017年に米サンフランシスコで開催されたプログラムに参加しました。
──どんなことを学びましたか。
二つあります。一つ目はクラウドを活用して、ビジネスをスケール(規模を拡大)する方法です。われわれは医療機関と協力し、AIを活用した診断支援サービスを提供しています。プログラム参加当時、患者数は約20万人でした。
そしてグーグルのメンター(指導者)はこう告げたのです。「10億人の患者に対応するためには、プラットフォームとソフトウエアを刷新する必要がある」。
グーグルは「ビリオン(10億)」という言葉が大好き。思わず「グーグルは10億人という視点で見ているんだよ」と共同創業者に話したことを今でも覚えています。オープンかつグローバルな発想がグーグルに根付いていると感じました。当時はブラジルでしかサービスを手掛けていませんでしたが、規模拡大を目指すグローバル志向へとわれわれの意識を変えてくれました。
3年後の今、患者数は約3000万人。われわれがこれだけの患者をサポートできるのは、スケールするためには何をすべきかを学んだからです。そして二つ目の学びは、人のスケールです。
──―人のスケールとはどういうことですか。