潜入!グーグル経営道場#1
Photo by Hiroyuki Oya

グーグルから直々に経営手法などを指南してもらえる貴重なチャンスをつかみ取ろうと手を挙げた日本の企業は100社以上。そして、“プラチナチケット”を射止めたのは日本のAIスタートアップ9社だ。グーグルのお眼鏡にかなったのはいったいどんな企業なのか。ダイヤモンド編集部がグーグルのスタートアップ支援プログラムを独占取材した特集『潜入!グーグル経営道場』(全6回)の#1では、グーグルの“経営道場”に入門したスタートアップ9社の顔触れと、グーグルの狙いに迫る。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之、副編集長 岩本有平)

渋谷に戻ったグーグルがつくった
世界七つ目の起業家向け“経営道場”

「渋谷は魅力的な場所で、変革と再生のシンボルだ」――。

 2019年秋、米グーグルの日本法人が9年ぶりに渋谷に戻ってきた。そして、渋谷駅前の複合施設「渋谷ストリーム」の新オフィスの正面には、グーグルの肝いりでできた新たな施設がある。スタートアップ企業を支援するための「Google for Startups Campus」。いわばグーグルが提供するスタートアップ企業向けの“経営道場”だ。

 19年11月の施設のお披露目イベントには、日本のイベントにはめったに姿を見せないスンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者、現在は持ち株会社アルファベットのCEOも兼務)が来日して登壇した。ピチャイCEOは、01年にグーグル初の海外拠点として渋谷にオフィスを構えたことを振り返りながら、冒頭のような発言をした。そして、「若い新たな世代が自信とひらめきを持ってテクノロジーを探求し、20年から始まる技術的な遺産の一部になることが私の願いだ」と締めくくり、だるまに片方の目を入れた。

 もちろん、できたてほやほやのグーグルの経営道場を、誰もが利用できるわけではない。第1弾としてグーグルが用意したのが、スタートアップ企業を支援するプログラム「Google for Startups Accelerator」。この施設を舞台に、3カ月にわたって“グーグル流”のサービス開発や経営ノウハウを提供するというものだ。

 プログラムには100社以上から応募があり、“プラチナチケット”を射止めたのは、AIに特化した日本のスタートアップ9社。中には大手ベンチャーキャピタルをはじめ、トヨタ自動車や三井物産、富士フイルム、オリンパスなどが出資する注目企業も含まれている。