検査精度と人気は高いが医師の人手が足りない!
胃がん検診の胃内視鏡検査

――胃がん検診についてはどうでしょうか? 胃バリウム検査よりも内視鏡検査が人気です。

 胃バリウム検査は標準の検査法なんです。時間をかけて広く行き渡っているわけですから、そのぶん精度は新しい機器に劣る。

 市町村によって早い遅いはありますが、最近は内視鏡検査も導入されつつあります。ですが、受診希望者の数が多過ぎるので、「全員、内視鏡でやれよ」と言われても、おそらくできる現場はないと思いますね。

――胃内視鏡検査ですが、医師1人が検査できる人数はどれくらいなんですか?

 午前中2~3時間がんばっても10例くらいです。それ以上の数を見るとどうしても質が落ちる気がしますね。

 きついですよね。それ以上やれと言われればやるけれども。以前20例やったことがありますけど、もう機械的にこなすだけでした。判断に迷ったら、もうちょっとじっくり診てみようという余裕がない。だから多くても15例くらいが限界じゃないかな。それだと1例を診る時間はだいたい3~5分ぐらいですか。

 そうですね。平均するとそんなものかな。もちろん病変がある場合は別で10分ぐらいかけることもありますし。組織を取ったりするとどうしても時間がかかるので、受診者の胃の状態にも左右されます。嘔吐反射が強い人がいると、手間取ってしまいますし。

 嘔吐反射というのはゲーって吐き戻そうとするやつです。苦手な人には、内視鏡検査のときはなるべく薬で眠ってもらうようにしています。

 そちらの方が楽ですよね。ただ、中には呼吸することを忘れちゃう人もいる。医学用語でいうと呼吸抑制や血圧の変動の可能性があるんです。たくさん静脈注射をすると検査を楽に受けられるのは確かですが、そうしたよくない作用が出る可能性もあります。

――口からではなく鼻から入れる内視鏡もありますね。

 経鼻内視鏡はやっているところとやっていないところがあります。少しテクニカルな話をすると、経鼻って鼻の奥を通るでしょ。鼻の奥ってかなり痛いし、敏感なんです。血管も多くて鼻出血を起こすことがある。つまり、鼻の奥まで麻酔をしないといけない。

 経口内視鏡だと喉の奥の咽頭を通るのでその辺りを中心に麻酔をするのですが、経鼻は鼻に麻酔をする。そこがちょっと違う。