内視鏡検査を安心して受けられる
病院はこう見分ける

 麻酔しても暴れちゃう人がいますよね(笑)。

 そう。(内視鏡を)引き抜く人もいる。麻酔をして寝ちゃう人はいいんですけど、逆に抑制が取れちゃう人がいるんです。で、暴れる。結構、暴言を吐く人もいますが、本人は覚えていない。一過性健忘といって検査を受けたことさえ覚えておらず、「受けていない」って言い張る人もいますね。

 ちなみに、麻酔を受けるに当たって、セデーション、静脈内鎮静法の注射をすると思いますが、あれは自白剤ですから。聞かれたら何でも答えてしまう(笑)。

 だから麻酔も安易に受けるとちょっと危ないんです。受診者の立場からいえば、スタッフが慣れている施設の方が安心でしょう。

――それを見分けるためのポイントはありますか?

 消化器の医師が内視鏡の専門医の資格を持っているかどうかというのが一つの目安かなと思います。研修医の後、専門で内視鏡の業務をずっと担当して、トータル5年を超えると試験を受けて専門医になれる。最近は「専門医の資格を持っていますか」と聞いてくる受診者は少なくないですね。

――一部自治体で実施されているABC検査(胃がんリスク分類)については?

 ABC検査はとどのつまり、血液検査で簡易的に胃の中の状態を知ろうとする検査です。内視鏡検査ができない医療機関、あるいはオプションで内視鏡検査をやろうとすると高額になってしまうような場合、その代用に位置付けられる検査です。なので、内視鏡検査を受けるのであれば、わざわざABCをやらなくてもいい。

――特異度(がんがない場合に正しく陰性と判定する割合)が低いとも聞きます。

 そうですね。実際に胃の中を見るわけではないですから。結局、血液でチェックする間接的な検査なので、確実な診断はなかなか難しい。もちろん、だいたいのところは判定できますけど、外れてしまう人が出てくる。確実な結果を望むのであれば、内視鏡検査を受けることを勧めます。

 たとえピロリ除菌をしても、その後も萎縮性胃炎が残っていると、胃の検査は続けて受けていく必要があると現在はいわれていますね。

 これも一般の方によくある誤解ですが、「除菌してきれいになった。無罪放免だ」というのは大間違いです。学会でも除菌後に胃がんを発症することが非常に問題になっています。

 患者さんによく説明しているのは、何十年も胃の中にピロリ菌を飼っていると“発がんスイッチ”が入ってしまう。ピロリ菌がいなくなってもスイッチが入ったままであれば、いつかがんが発生しておかしくない。言い換えると、炎症がずっと持続していると発がんしやすくなる。

 ピロリ菌検査をするのはいいと思いますけど、陰性だから大丈夫というわけではない。だから内視鏡検査もやって、両方見ないと「あなたはがんができにくいですよ」とはなかなか言えない。内視鏡をまず1回やって、慢性胃炎、萎縮性胃炎がなければ、後は5年に1回の内視鏡検査でいいんじゃないかな。