百貨店とは異なり日常使いが主であるコンビニは、外出自粛により食品スーパーと同様に需要が増加しているのかというと、必ずしもそうではないようだ。

 同日決算発表したローソンの竹増貞信社長によると、同社の売上高は東京都が外出自粛を要請した3月25日以降は減少し、3月中の売り上げは前年同期比5%減。さらに緊急事態宣言が7日に発令された4月以降は、「非常に大きなインパクトになってきている」(竹増社長)。

 SEJも当然、こうした影響と無縁ではいられまい。実際にSEJの加盟店からは、外出自粛による売り上げ減や、従業員やオーナー自身の感染リスク、感染を恐れる従業員の退職による人手不足の深刻化といった懸念の声が上がる。24時間営業という原則のさらなる見直しといった大胆な施策が必要になる可能性が高まっている。

 だが井阪社長はこの日、コロナの影響を受けた追加の加盟店支援策について、「今の段階では考えていないが、長引くようなら対策を検討しないといけない」と述べ、具体策を語らなかった。

原油価格が3分の1に急落
成長ドライブの米国が逆回転の恐れ

 一方、「グループ全体の営業利益の4分の1を占める」(井阪社長)までに成長した米国のセブン-イレブン・インクは、19年12月期の営業利益が前年同期比9.5%増の1216億円だった。だが、こちらも大きなリスクにさらされている。

 まず1月には1バレル60ドルを超えていた原油価格が、3月に20ドル台に急落した。加えて米国ではニューヨーク州を中心に新型コロナ感染拡大による医療崩壊が深刻化し、死者が続出。厳しい外出制限によりガソリン需要そのものが激減している。HDとしては、SEJの商品戦略を米国に“移植”して浸透を図ってきたが、それどころではない状況だ。

 セブン&アイ・HDには国内に2つの大きな“お荷物”事業がある。総合スーパーのイトーヨーカ堂と、百貨店のそごう・西武だ。