過去最高益でも、未曽有の事態でグループの先の姿が見通せないセブン&アイ・ホールディングス Photo:tupungato/gettyimages

過去最高益を更新したセブン&アイ・ホールディングスの2020年2月期決算。新型コロナウイルスの感染拡大で社会情勢が激変する中、コンビニエンスストア加盟店向けの具体的な支援策は語られなかった。国内百貨店の都心大型店の臨時休業や、米国のコンビニ事業でのガソリン需要の急減など、コロナの影響により今後大ダメージを受ける公算が高いが、井阪隆一社長の発言からは危機感が伝わってこない。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

普段使いのはずのコンビニも売り上げ減
不安な加盟店への支援は具体策なし

 新型コロナウイルスの感染者数が4月9日、国内で5000人を超えた。医療崩壊の危機が間近に迫っていると多くの医師たちが訴えるように、日本もまた大きな国難に見舞われている。

 こうした状況下、企業のトップが発信する言葉がいつも以上の重みを持つことは、言うまでもない。人生をかけてフランチャイズ経営しているコンビニエンスストア加盟店を抱える本部のトップであれば、なおさらである。

 国内最大手のセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)を擁するセブン&アイ・ホールディングス(HD)は9日、2020年2月期通期決算を公表。連結売上高は前年同期から微減の6兆6443億円だったものの、営業利益4242億円、純利益2181億円と、いずれも過去最高を更新した。

 ただし、これらは2月末までの数字だ。国内で新型コロナの感染拡大が本格化したのは3月以降である。コロナの影響が見通せないとして、21年2月期の業績見通しの公表は見送った。

 HDの井阪隆一社長によると、3月のSEJの売上高は速報値ベースで前年同期比96.8%と微減。オフィス立地が苦戦する一方で、住宅街の店舗で売り上げが伸びる動きがあるという。