ウィンドウズ2000――。年収2000万円をもらっておきながら、大した仕事もせずに社内に居座る“窓際族”の社員のことを指す隠語だ。入社後数年内に商社を去った若手が目にしたのは、そんな奇怪な社内の現実だった。特集『最後の旧来型エリート 商社』(全13回)の#5では、退社した若手の声を通して商社のリアルを紹介する。
梅本浩二さん(仮名):30代、財閥系商社のエネルギー部門出身。
本田順三さん(仮名):30代、非財閥系商社の機械部門出身。
北川修造さん(仮名):30代、財閥系商社の食料部門出身。
2割のスーパーマンが会社を支えている
6割の「駒」と、2割の「窓際族」
──抱いていた理想と、入社後の現実のギャップを感じた瞬間はありますか?
大山 海外駐在や出張をしても、本社にレポートを送る作業が多過ぎることかなあ(笑)。
梅本 HPやパンフレットとかで、40~50代になってもバリバリ働いていますというイメージがあると思うんですけど、そういった人は本当にごくわずかですよね。
本田 2割ぐらいのスーパーマンが、全体を引っ張っています。彼らが戦略を考えたり、適切な判断をしたりしている感じ。真ん中の6割ぐらいは、業務オペレーションを回す「駒」です。取りあえず英語は話せるので、海外の人とやりとりができる。最後の2割は、いわゆる「窓際族」ですね。“Windows(ウィンドウズ)1000”と社内でささやかれています。
──ウィンドウズ1000とはどういう意味ですか?