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前回コラム「コロナによる閉じこもり生活は、人の心を痛めつける」では、閉じこもり生活が、世界各地でどのように人の心を痛め社会問題化しているかについて客観的事実をお伝えしました。そこで本稿では、自粛生活の長期化が予測される中、ストレス、イライラ、不安の要因はどこにあり、それを抑えるために筆者も含め一般市民ができることは何かを取捨選択するための整理法、および参考として心を豊かにするための1つの実践法をお伝えします。(Nagata Global Partners代表パートナー、フランス国立東洋言語文化学院非常勤講師 永田公彦)

心の健康に影響を与える要因

 感染症対策上の閉じこもり生活による精神的苦痛を抑え、社会問題を防ぐにはどうあるべきか?これを、政府、事業経営者、市民一人一人それぞれの立場で考えるためには、その苦痛の程度を左右する要因、つまり原因となりうることを整理する必要があります。

 前回コラムで紹介した2つの学術研究論文(上海交通大学、ロンドン大学キングスカレッジ)では、精神的苦痛を高める要因として、隔離状態の長期化、感染への恐怖、欲求不満、退屈、生活必需品の確保が困難、医療サービスへのアクセスが困難、政府等による情報伝達の3つの不(不透明・不明確・不十分)、金銭的苦境、精神的サポート体制の欠如、他者から受ける侮辱的な言動等を挙げています。

 これに筆者の考えを加え、隔離生活による心の健康に影響を与える要因を次の5つに整理しました(Bは、危機が訪れる前からの状態なため緊急事態に入った今となって変えるのは難しいが、コロナ終息後に振り返るべき課題)。