マイクロソフトは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)とその後遺症に対し抵抗力を示すだろうか? このソフトウエア大手の最新の四半期業績が示す答えは「イエス」だが、実情は複雑だ。フェイスブックやグーグルの親会社アルファベットと同様、マイクロソフトの1~3月期(第3四半期)決算は比較的良好だった。同四半期の売上高は前年同期比15%増の350億ドル(約3兆7500億円)と、市場予想の10%増を上回った。営業利益は25%増の約130億ドルとなり、全体的な利益率はこれまでの四半期と同じような水準を維持。29日に発表された四半期決算の内容を受け、同社株価は2%上昇した。フェイスブックやグーグルと違い、マイクロソフトの四半期決算は、3月末の中核事業の急激な悪化が隠れているような内容ではなかった。むしろ、コロナウイルスのパンデミックは、同社にとって多くの点で追い風となった。多くの人が在宅勤務を余儀なくされ、ウィンドウズ搭載のノートPCを新たに購入したり、マイクロソフトの協業プラットフォーム「Teams(チームズ)」を利用してチャットやビデオ会議をしたりするようになった。この間、家に縛り付けられた子どもたちは家庭用ゲーム機「Xbox(エックスボックス)」を使い「マインクラフト」などのゲームで遊ぶようになった。Teamsの1日のアクティブユーザー数は7500万人と、3か月前に同社が公表した2000万人から急増。オンラインゲームサービス「Xbox Live(エックスボックス・ライブ)」のアクティブユーザー数も、昨年同期の6300万人から9000万人に増加した。