就職人気企業ランキング#2Photo:a-clip/gettyimages

特集『就職人気企業ランキング 2021年卒後期調査』(全4回)の#3では、ダイヤモンド・ヒューマンリソースが毎年実施している「就職先人気企業ランキング調査」の理系男子編をお届けする。一見すると文系ランキングと見紛うほどの総合商社の人気ぶりがうかがえるが、実は商社各社は理系採用に力を入れていて、理系出身の幹部も多いことが評価につながっている。鉄道に加えて、森ビルや三菱地所などデベロッパー系も順位を上げた。(調査・分析/株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース 経営企画室 室長 高村太朗)

「週刊ダイヤモンド」2020年5月23日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

就職人気企業ランキング
理系男子編の結果は?

 ダイヤモンド・ヒューマンリソースが毎年実施している「就職先人気企業ランキング調査」では2012卒採用以降新卒採用マーケットは拡大し、少子高齢化を背景に売り手市場が継続してきた。例年であれば大学3年生の夏休み期間を利用したインターンシップを前哨戦に、採用広報解禁となる3月1日以降、実質的な採用選考が開始。ゴールデンウィーク前後にはピークを迎え、採用選考解禁の6月上旬には収束する流れが定着しつつあった。

 しかしコロナ感染拡大防止のため、就職情報会社の主催する合同イベント、大学就職部の主催する学内合同説明会、さらには企業の会社説明会も開催自粛が相次ぎ、唯一ウェブによる説明会や面接が展開される状況になっている。

 4月に行った学生モニターアンケートでも「採用活動が止まっているのか、単に選考に落ちただけなのか分からない企業が多く、次の行動が決められない」「ウェブでの面接は雰囲気がつかめずやりにくい」「大学が閉鎖されていて誰に相談していいか分からない」といった困惑する声が多く聞かれた。

 緊急事態宣言が発出されたのは4月7日と、調査期間終了の5日前ということもあり、本調査の結果に大きな影響は見られないものの、日に日に状況が悪化する中、学生の安定志向は高まり、総合商社、大手金融機関、デベロッパーに人気が集中する結果となった。

 こうした全体の傾向をつかんだ上で、今回は21年卒後期ランキングの理系男子の結果をお届けする。