生存戦略#05
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、人々の生活様式も大きく変わりつつある。オフィスには毎日は通わない。人混みは好んで行かない。これが定着すれば、都市の在り方は大きく変わらざるを得ない。そう、首都東京という都市にも、アフターコロナの生存戦略が問われているのだ。特集『外資コンサル総力解明 7業界の生存戦略』(全12回)の#5は経営コンサルティング会社のA.T.カーニーで日本法人会長を務める梅澤高明氏が、コロナ後の東京の在り方を縦横無尽に語る。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ、構成/ライター 奥田由意)

梅澤高明氏は学生時代、インディーズバンド「G-シュミット」でベーシストを務めていた。当時は音楽アーティストとして生きていこうと本気で考えていたが、思うところがあって現在の人生に。しかし今でも創造性や文化的価値には強い関心を持っている Photo by Yoko Akiyoshi

「東京から勢いのある人が
どんどん流出している」 

――以前から都市の成長戦略について活発に発言してきました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京という都市の進むべき方向をどう見ていますか。

 僕は各界の有志と、NEXTOKYO(ネクストーキョー)という東京の都市戦略を考えるプロジェクトチームを組織しています。このチームで1カ月ぐらいかけて、アフターコロナの東京の在り方を議論し、その内容を東京都に提言しました。提言を託した直接の窓口は都議会ですが、小池百合子都知事の手元にも届いていると思います。

 東京について僕が今、強烈に危機感を持っている現象があります。コロナが起こってから、僕の周りにいる勢いのある企業経営者やクリエーターが、どんどん福岡や沖縄などに移っていることです。

 都市に活力があるかどうか、競争力があるかどうかの指標は何か。それは、その都市に住んで活動する面白い人が増えているかどうかです。人間が都市にとっての一番重要なエンジンなのですから。ところがコロナ後にリモートワークをするようになって、「東京でなければ仕事にならない」という制約条件が外れてしまった。

――言い換えると、これまでの東京の価値は「ここでなければ仕事ができない」という制約条件にかなり支えられていた。

 それが大きかった。しかしこれからは「そこにいなければならない都市」ではなく「そこに住みたい、そこで働きたい都市」に変わる必要がある。そこでNEXTOKYOで議論を重ねて、コロナ後の東京が目指す方向性をまとめました。それが都知事に届けた提言の骨子です。