そのような状況下、私たちを心配してくれた音楽ファンの方々が、「応援のためにチケットの払い戻しはしない」「応援の意味も込めて3Aメンバーズ(クリエイティブマンの有料会員)を延長したい」と言ってくださったのです。私たちの思いもしない形で支援してくれるファンの方々がいる。その気持に何かお応えすることはできないだろうか。そう考えたときに案として浮上したのが、過去のサマーソニックのライブ映像をもとにしたオンライン音楽フェス「サマーソニック2020」です。

Mr.Childrenなど大物アーティストが
「サマーソニック2020」に賛同

――ライブ映像の配信に「サマーソニック2020」の名を冠した意図は何でしょうか?

 過去のサマーソニックのライブ映像を配信したいとアーティスト側へ打診したところ、ヘッドライナー級のアーティスト(編集部注:Mr.Children、BTS、LINKIN PARK、Metallica、Arctic Monkeys、The 1975、Underworld、Radiohead)がこぞって賛同してくれたのです。

 これほどのビッグネームがそろうのであれば、「サマーソニック2020」と呼ぶにふさわしい、たとえ過去のライブ映像のアーカイブであっても音楽フェスに違いはないはずだ、そう考えました。

――コロナ禍に関係なく、今年はそもそもサマーソニックを開催しないことが決まっていました。

 東京オリンピックが開催される予定だったので、今年は会場(幕張メッセと千葉〈ZOZO〉マリンスタジアム)が例年と同じ時期に押さえられないことがわかった時点で、開催しないことを決めていました。

 秋に時期をずらしても名前に「サマー」があるので微妙だなと(笑)。サマーソニックは昨年20周年を迎えました。30万人動員と大成功のまま終えたこともあり、これを一区切りとして1年、お休みすることにしたのです。

 でも今年でクリエイティブマンは設立30年。30周年に何もやらないのは寂しいよねということになり、1回限りの音楽フェスを行うことにしました。それが「スーパーソニック」です。