仮処分申し立ての結果そのものは、2020年初頭にも結果が出るとみられていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で裁判所や特許庁が業務を縮小し、審理がストップしてしまっていた。

 訴訟の進展の見られぬ中、ファストリはユニクロだけでなくGUの店舗内のセルフレジも、いつの間にかユニクロと同型のレジへとひっそりと置き換えていた。

 GUのセルフレジは、もともとはユニクロのレジとは違い、カゴを置いた後に扉を閉じる仕組みだった。これは、ファストリと東芝テックが共同で特許出願しているタイプだ。ところが今回、わざわざ訴訟中のレジと同型のレジに交換したのである。

セルフレジ
同じGUの店舗。上は4月9日、下は5月20日のもの。ユニクロと同様のセルフレジが導入されている 写真提供:アスタリスク

 GUの店舗を全国的に調査したアスタリスクは6月16日、今度はジーユーに対しても、特許権侵害行為差し止めの仮処分命令を大阪地裁に申し立てた。

「レジが交換されたのは、たまたまコロナの外出自粛期間でした。ですが調達から考えると、昨年末から用意していたはずだ」と鈴木社長は推測する。

 GUのセルフレジに対してアスタリスクが仮処分申請したことについて、ファストリにコメントを求めたが期限までに回答はなかった。

 昨年5月にファストリがアスタリスクの特許に対して請求している特許無効審判は、最近になってようやく進展が見られた。

 6月5日、特許庁は「審決の予告」を行った。審決の予告とは、特許審判で被請求人に「無効審決」など不利な審決の前に出るものだ。つまり、アスタリスク側に不利な内容の結論になりそうだということだ。

 ただし、その内容を詳しく見ていくと、どうやらそうともいえないようだ。