思い出すだけで
体中にじんましん
6月中旬のある日、いつものごとくB課長からイジラレまくり、いたたまれなくなったA子は業務終了後、C子主任に携帯で泣きながら言った。
「C子主任、助けてください!」
そしてB課長のことで悩んでいることを打ち明けた。
心配になったC子主任は、
「つらかったね。でも、どうしてもっと早く相談してくれなかったの?」
「相談したことがB課長にバレて、もっとイジられるのが嫌だったんです」
「そうだったんだ。でも、もうガマンしなくて大丈夫よ」
A子と話し終えたC子主任は、すぐにD総務部長に報告した。
C子主任から報告を受けたD総務部長は、詳しい事情を聴くため、すぐにA子に連絡を入れた。するとA子は電話口で次のように訴えた。
「もうB課長の顔を見たくないし、声も聞きたくありません。顔や声を思い出すだけで吐き気はするし、体中じんましんだらけでかゆくて夜も眠れません」
状況を聞いたD総務部長はB課長の素行にがくぜんとし、ため息をつきながら聞いた。
「ところでA子さんはこの件に関して、C子主任以外の誰かに相談しましたか?」
「1週間前、両親に話しました。父は怒り、『すぐに会社を辞めて実家に戻ってきなさい。ひどい目にあわせた会社とB課長を訴えてやる』と言っています」
「えっ?訴えるだって!」
D総務部長は頭が真っ白になった。
そしてA子には「あなたの体の具合が心配なので、明日は休暇を取り病院へ行ってください」と指示を出し、電話を切った。
どう対処すればいいか悩んだが、翌日、E社労士が甲社を訪ねてくる予定なので、その場で相談し、アドバイスをもらうことにした。