どうなる景気・市場どうなる透視#9
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歴史的な高値を付ける金。コロナショックを背景に、資産防衛として金への投資を考える人は多い。ただ、金投資の特徴を完全に理解する人は少ない。そこで、特集『どうなる景気・市場 どうする投資』(全10回)の#9では、金投資の方法と極意を解説する。

「週刊ダイヤモンド」2020年6月20日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

「これほど価格が上がっていても、買う人がまだ多くいる。昔では考えられなかったことだ」。マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表は、そう驚きを口にする。

 いま金市場が熱い。東京商品取引所の金先物は5月に1グラム6092円まで上昇し、初めて6000円の大台を突破。店頭価格でも過去最高値を付けるなど、コロナショックによる経済への不安や世界的な金融緩和を背景に、金への関心がにわかに高まっている。

「いまの高値を主導しているのは、ファンド勢だけでなく個人投資家の存在も大きい」と、前出の亀井氏。コロナショックで動揺する中、資産防衛策として個人にも金投資が広がっているのだ。

 だが、金は株や債券とは異なった性質を持つ商品。これから金投資を始める場合は、その特徴を十分に理解して投資を行いたい。

「金は利息が付かないので、あくまで“脇役”。投資額は全体の10%以内に収めるなど、株や債券などの“主役”の調子が悪いときの備えとして投資することが重要」と、豊島&アソシエイツの豊島逸夫代表。「短期的な価格動向はプロでも予測が難しいので、タイミングを見計らったまとめ買いは禁物」(豊島氏)と、長期・分散投資の重要さを強調する。

 金は株のように配当がなく、値上がりでしか利益が上がらないリスク資産。それを踏まえた上で、金への具体的な投資方法を見ていこう。

 まず、初心者が手軽に投資を行うなら、純金積立かETF(上場投資信託)が、第一の選択肢だ。

 純金積立は、毎月一定額分の金を購入していくもので、地金商やインターネット証券などで月々数千円から利用できる。購入価格を平準化するため高値つかみのリスクが低く、心理的な負担も少ないので初心者にはもってこいの方法だ。

 ただ、コストは比較的割高だ。購入時に1.5~3%程度の手数料がかかるほか、1.5%程度の「スプレッド」が発生する。スプレッドとは、販売価格と買い取り価格の差のことで、要は業者のマージンのこと。その額は変動し、運営会社によっても異なるので、会社選びの際は要チェックだ。