どうなる景気・市場どうなる透視#1
Photo:PIXTA

「リスクとうまく付き合う」とうたった大型のバランスファンドが、新型コロナショックにあえいでいる。特集『どうなる景気・市場 どうする投資』(全10回)の#1では、運用に白旗を揚げるファンドや、身動きが取れなくなったファンドの現状を追った。コロナに負けない、投資の考え方も紹介する。

「週刊ダイヤモンド」2020年6月20日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

 新型コロナウイルスが市場を大きくかき乱したのは3月に入ってからだった。

 3月11日にWHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言した翌12日、米ニューヨークダウは2352ドルと史上最大の下げ幅を記録した。1日で約10%の下落である。

 この急速な下げを東京株式市場が押し返せるはずもない。日経平均株価は13日に一時1869円安を記録し、19日には1万6652円を付けた。1カ月前に比べて29%の暴落であった。

 同じ日の国内REITに至っては、1カ月前の年初来高値からの下落率は49%に達した。下図の通りである。

 この異常事態に投資信託(ファンド)の関係者は大いに翻弄された。中でも真っ青になったのは損失を限定するタイプのファンドだった。代表格は三井住友銀行、地銀など33金融機関が販売した「アムンディ・ダブルウォッチ」(アムンディ・ジャパンが運用)だ。

 このファンドは「リスクとうまく付き合いながら安定的に資産を育てる」とうたい、純資産はピーク時には1500億円にせまった大型ファンドである。

 ところが3月26日、ファンドの時価である基準価額が前もって定められていた下限(フロア水準、基準価額の最高値の90%)の9562円まで下落し、繰り上げ償還があっけなく決まった。

 繰り上げ償還というのは、ファンドのいわば“白旗”だ。運用を途中で中止して財産を清算、投資してくれた個人に、口数に応じて返還する。ファンドの設定からわずか4年のことだった。

 他にも、りそなアセットマネジメントが運用する「りそな・リスクコントロールファンド(みつぼしフライト)2020-02」などは、2月17日の運用開始からわずか1カ月ちょっとで、基準価額が下限(確保ライン)の9500円に達し、繰り上げ償還が決定した。

 こうして白旗を揚げたファンドはいずれもバランス型だ。バランス型というのは、国内外の株式や債券など、値動きの異なるカテゴリーに分散投資することで、リターンの変動幅(リスク)を抑えようというものだ。