老後資金確保の資産運用において、少額の長期分散投資に加え、余力のある人はJ-REIT(不動産投資信託)に投資するのも一手だ。『収入激減時代の「運用&家計」徹底見直し術』(全9回)の#4では、コロナショックによる暴落を経て専門家から「買い場が訪れた」との声が挙がるJ-REITのほか、投資用不動産の現状について解説する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
過熱感が指摘されていたJ-REIT市場
新型コロナのあおりで相場が暴落
新型コロナウイルスの感染拡大のあおりで3月、上場REIT全体の値動きを示す東証REIT指数がかつてない急落に見舞われた。最も下げた3月19日は1日で2割近くも暴落し、その1カ月前と比べほぼ半減したほどだ。
これほど大きな下げにつながったのは、もともとJ-REIT市場に過熱感が指摘されていたことがある。東証REIT指数は昨夏以降、2000の大台に乗せて推移していたのだが、同指数の算出を始めた2003年以降、2000を超えたのは、後にファンドバブルと呼ばれることになった07年の一時期のみ。そうして高値警戒感が強まっていたところへ株式相場の急落などが重なり、パニック的な売りにつながった。
REITアナリストの山崎成人氏は、大幅調整が進んだことで、J-REITに「絶好の買い場が訪れた」と話す。買いの根拠とするのが、次ページのデータだ。